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凸凹キャンバスを滑らかにする方法
画家・造形作家の「きぃけむ」です。
紙のように滑らかなキャンバスの作り方をご紹介します。
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画家・造形作家の「きぃけむ」です。
紙のように滑らかなキャンバスの作り方をご紹介します。
木枠付きキャンバスは、500年近く前から選ばれてきた形式。
キャンバスの布の素材は、麻、合繊繊維、綿などが挙げられます。
キャンバス布には、織り目がありますね。
織り目が目立たない薄い布は、繊維が細く、上から絵具を厚塗りすることには耐え難いようです。
ゴールデンテクニカルインフォメーション(ターナー色彩株式会社)にて以前公開されていた、修復家James BernsteinさんとGolden Artist Colors社による記事によると、高品質の麻100%の画布が、耐久性に優れているそうです。
私の場合、画材屋さんで購入した一般的な画布を使っています。
市販の、張りキャンバス・キャンバス布には、すでに下地が塗ってあります。
アクリル絵の具を使う場合は、下地の油分を取り除くために、
『表面を乾いた布等で拭き
↓
ジェッソ等の下地を塗ってから制作する』
ことが勧められています。
その方が発色や着色が良くなるようです。
こちらは、ジェッソのみを塗ったキャンバス(F3サイズ)です。
ジェッソを1度だけ塗ったところです。キャンバス地が透けて見えます。
↑こちらは、ターナーアクリルガッシュ・ジャパネスクカラーの「猩猩緋(しょうじょうひ)」色と、白色ジェッソを混ぜて塗ったものです。
ジェッソと絵具を混ぜると、絵具の色+ジェッソ色の、下地ができます。
こちらは黄色い絵の具を、ジェッソと混ぜて塗りました。
ジェッソと混ぜる 絵の具の分量を増やすと、鮮やかな色の下地が出来上がります。
このままの下地でも、キャンバス地を生かした作品が制作できます。
↑こちらは、白色ジェッソをそのまま塗り→(下地乾燥後)→アクリルガッシュで着彩した作品です。
もし、白い絵を描きたいと思った場合には
下地の白色を、広範囲でむき出しのまま白色として使い、作品を完成させるよりも、
下地の上に 白色の絵具を塗った方が、輝きや、擦り傷による耐性があるようです。
ちなみに、様々な色の、カラージェッソも各社より販売されています。
ジェッソのみの下地ですと、キャンバスの織り目の凸凹を隠すためには
何度も厚塗りをすることが必要になってきます。
液体に近い柔らかさの下地材では、その作業がなかなか大変です。
塗ってすぐ流れてしまうので、一気に厚塗りができない為時間がかかります。
硬めの下地を使うと、一気に厚塗りが出来ておすすめです。
硬練りジェッソもあるので、お好みで挑戦してみてください♪
モデリングペーストは、盛り上げ 地塗り材です。
ホルベイン、リキテックス、ターナー社などから発売されています。
モデリングペーストの中でも、色や質感などが様々な種類が発売されています。
今回は、以前から持っていたホルベインのモデリングペーストを使いました。
モデリングペーストは、自在にテクスチャーを作れる、非常に便利な盛り上げ材です。
注意点としては、乾燥後に水分が抜けると、ヒビ割れが起こる可能性があります。
私も以前、一気に厚塗りした経験があるのですが、そのときは見事にヒビが入ってしまいました。(その後修復しました♪)
製品の注意書きにある通り、ジェルメディウムを少量混ぜて使うと、ヒビ割れを防ぐことができます。
実験用のミニキャンバスに塗っていきます。
↓(左)モデリングペースト&ジェルメディウムを塗ったキャンバスと、(右)塗る前のキャンバス
ジェルメディウムは透明なので、キャンバス地が見えていますが、しっかりとキャンバスの織り目を覆うことができました。
ペインティングナイフで塗った後が目立ちますね…。
ゴムベラで塗ると、より平滑に塗ることができます!
モデリングペーストとジェルメディウムを混ぜた下地材を、一度塗り、
乾燥後にもう一度塗り、紙やすりで表面の凸凹を削りました。
カラーペン(ポスカ赤・極細)で線を描いたところです。
ペンが引っかかることなく、スムーズに線がけています。
キャンバスの凸凹をならし、滑らかな描き心地が 見事に叶いました~♪
2012年11月に、リキテックスより発売された、胡粉ジェッソ。
◇日本画材料として古来から使われてきている胡粉(貝殻の粉)の入った白色地塗り剤。
◇胡粉特有のザラザラした質感を持っています。
◇にじみや薄塗りに、独特の美しい効果をもたらします。リキテックス公式サイト NEWSより
紙の温かさ(のようなもの)を表現するために、前述のモデリングペースト&ジェルメディウム下地の上に塗りました。
モデリングペースト&ジェルメディウム1度塗り
↓
胡粉ジェッソ2度塗り したところです。
(モデリングペースト&ジェルメディウムは、2度塗りの方がやっぱり滑らかでオススメです。)
左が【モデリングペースト&ジェルメディウム下地+胡粉ジェッソ】右が【モデリングペースト&ジェルメディウム下地】
両方とも、やすりがけして(紙やすりで削って)あります。そんなに描き心地は変わりません。
胡粉ジェッソは白いですね。胡粉(貝殻の粉)が光を反射しているのでしょうか。
ツルツル感、透き通る感では、【モデリングペースト&ジェルメディウム下地】の方が勝っています。
【モデリングペースト&ジェルメディウム下地】の上に、普通のジェッソでも描きやすそうです。
アクリル絵の具(リキテックスプライム)で赤色(マゼンタ)を塗ったところです。
右のキャンバスの、左下部分・うすい珊瑚色は、アクリルガッシュです。
キャンバスの目に、筆などが引っかかって書きづらい時は、
【モデリングペースト&ジェルメディウム下地】おすすめです。
紙やすりをかければ、平滑な下地ができますよ。
更にその上から、ジェッソや胡粉ジェッソなどの下地材を塗り、やすりをかけると、
より紙のような雰囲気のキャンバスになるのではないかと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。ありがとうございました。